旭川の「BOOKMARK CAFE」(旭川市1条8)で5月21日、旭川在住の末廣久美子さんが植物で染めたストールを紹介する「天然の色展 草木染めのストール」が始まった。
植物や土から天然の顔料を採取し、作品を通して自然本来の色の美しさを表現している末廣さん。自身で育てたさまざまな植物などによる染めを行うほか、主催するワークショップで植物染めや染めた素材を使った創作などで自然本来の魅力を広める活動にも取り組んでいる。
末廣さんが植物や土の自然素材を使った活動をするようになったのは16年前。化学物質過敏症を発症し、趣味のシルクスクリーン版画に使う画材が使えなくなったことがきっかけ。
自然素材であれば自身でも扱うことができるため、土や植物から顔料を作ることや植物染めについての技法を学び、展示や主催するワークショップを通して魅力を広めるようになった。末廣さんは「自然から学ぶことは多く、知り、触れることで、身近な環境への意識も高まり、日々の暮らしにも生かすことができる」と言う。
これまでは趣を変えながら作品を定期的に展示してきたが、新型コロナウイルスの流行でここ最近は控えていたという。1年半ぶりとなる今回は、シルクやコットン、リネンを、紅花やアサガオ、タデアイなどで染めた色鮮やかなストールのほか、複数の顔料で別々の色を作りそれぞれを紫陽花模様の型で彩ったストールも展示する。
末廣さんは「コロナ禍であろうと、普遍的なもの、自然の色には強い『生命力』を感じる。大変な時期だが、天然の色の持つ美しさに触れ、ぜひ安らぎを感じてほしい」と観覧を呼びかける。
営業時間は11時~18時30分。火曜定休。6月20日まで。