津軽三味線の音色に合わせた情念あふれる踊りで知られる大道芸人、ギリヤーク尼ヶ崎(本名=尼ヶ崎勝見)さんが7月17日、旭川平和通買物公園の「アッシュアトリウム」(旭川市1条通7)前で、昨年8月に続き青空舞踊公演「魂の踊り」を披露する。
昨年の旭川公演で演技をしながら車いすで登場するギリヤーク尼ヶ崎さん
函館出身のギリヤークさんは1930(昭和5)年生まれの92歳で、今年10月で芸歴55周年を迎える。学生時代は器械体操の選手だったが、俳優を志して上京。寺山修司監督の「さらば箱舟」、伊丹十三監督の「マルサの女」などの映画に出演。その後、30歳の時に大道芸人として生きていくことを決意し、街頭で津軽三味線を素材に創作舞踊を始めた。
2014(平成26)年までは毎年夏、北海道の複数都市を回り、旭川ではかつて平和通買物公園と「三番館」(3条通15)前の銀座通商店街しあわせ広場の2カ所で踊っていたが、2015(平成27)年には体調が悪化し旭川公演を中止。その後、パーキンソン病、脊柱管狭窄症などの診断を受け、おととしから治療を続けるギリヤークさんは今年3月、腸の病気で手術も受けた。心臓にはペースメーカーも入っているため舞踊の一部は車いすを使うが、それでも衰えぬ意欲に「伝説の大道芸人」と呼ばれている。
昨年、買物公園が開設50周年を迎えたことを記念し8年ぶりに行った旭川公演は反響が大きく、ギリヤークさんは今年も旭川での公演を熱望し、公演にこぎ着けたという。
「3月に手術をしたため体調が心配だったが、5月の京都公演では、コロナ禍を乗り越え踊る喜びをかみしめながら精いっぱい踊ることができた」と手応えを感じたギリヤークさん。「故郷・北海道での公演は、観客の皆さんの温かい声援にいつも励まされる。新たな伝説が生まれるような踊りを、北海道の皆さんに披露できれば。精魂込めて踊りたい」と意欲を見せる。
上演は13時~14時。無料。演目は「じょんがら一代」「よされ節」「念仏じょんがら」を予定。雨天時はアッシュアトリウム内で開催する。