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「旭川の歴史的建物の保存を考える会」が企画展 「建物はアート。」テーマに

「旧北海道立上川農業試験場」の模型を前にお話しを伺った軽部望会長と故横山達雄さんのご家族

「旧北海道立上川農業試験場」の模型を前にお話しを伺った軽部望会長と故横山達雄さんのご家族

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 「旭川の歴史的建物の保存を考える会」が現在、フィール旭川(旭川市1条通8=買物公園)5階の「ギャラリー・ジュンク」で、旭川にゆかりのある建物やさまざまな建築物をモチーフにした企画展「建物アート展」を開催している。

故横山達雄さんにより内部まで精巧に作られた「旧上川農業試験場の模型」

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 旭川に現存する歴史的建造物を文化的遺産として表彰する活動や旭川・近郊の歴史ある建物などの見学ツアー、歴史的建物の研究・調査、市民講座などを行っている同会。同展は「建物はアート。」をテーマに、市民が歴史的建造物の価値を再認識したり、建物の文化や美しさに触れたりして身近に感じるきっかけとなるよう開催し、2016(平成28)年から数えて6回目となる。

 同展では、会員と一般応募者合わせて40人による計66点の立体模型、ペーパークラフト、写真、水彩画、切り絵など、思い思いの表現手法で旭川の歴史にまつわる建物をモチーフにした作品のほか、さまざまな切り口のユニークな仕掛けの作品を展示している。

 会場でひときわ目を引くのが故横山達雄さんによる「旧北海道立上川農業試験場」(現在の永山6条18)の模型。昭和30年代、当時の近代的設備を備えた美しいレンガ造りの建物で、横山さんの娘によると、当時、建具職人だった横山さんは同試験場に出入りし内部造作の補修などに関わっていたため内部を熟知していたという。かねて実存する近代建築の模型を作っていた横山さんは、同試験場が1994(平成6)年に比布町に移転し取り壊しが決まったことから同試験場を模型として残すことを決めた。しかし、内部はまだしも外観寸法までは把握しておらず、横山さんと娘は、同試験場が市民に一般開放された際、雪の中を2人で巻き尺を持って走り回って正確な寸法を測定した。展示する模型は外観から内部まで細かな作り込みが見事に施されているが、「実は、模型にする過程では、高齢だった父の不正確な部分を見つける度に『せっかくの模型が台無しになる』と、身内だからこそ厳しく指摘し、やり直させた」と娘は笑う。

 同展では自由に写真を撮影できる。同会代表の軽部望さんは「建物をアートとして豊かな気持ちで感じて楽しんでほしい。建物に興味を持ったり考えたりする機会になってくれたら」と話す。

 開場時間は10時~19時30分(最終日は16時まで)。入場無料。今月4日まで。

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