世界的に評価の高い「織田コレクション」から選んだ椅子の企画展「世界の名作椅子ベスト20」が現在、東川町複合交流施設せんとぴゅあI(東川町北町1)で開催されている。主催は東川町。
「織田コレクション」は、椅子研究家の織田憲嗣さん(東海大学名誉教授、東川町芸術文化コーディネーター)が長年にわたり収集、研究してきた近現代における優れたデザインの日用品に関する資料群。北欧モダンデザインの黄金期といわれる1950~60年代を中心に、椅子約1350脚、テーブル約70点などのほか、関連資料も含め約2万点あり、世界のデザインミュージアムに匹敵するものとして国内外で高い評価を受けている。
家具・クラフトを特産品とする東川町は2017(平成29)年、同コレクションの一部を公有化し圏域全体の資源として取り組みを進めている。今年4月14日、同日を「椅子の日」として制定・宣言するのに合わせて、関連行事と共に同展を企画した。
同展では、自転車のハンドルをヒントに、工業用の素材だったスチールパイプを世界で初めて家具に使った椅子や重さ1.8キロほどの超軽量の椅子など、個性あふれる世界の名作椅子20点を展示。時代背景や製作秘話なども併せて紹介する。
織田さんは「科学技術の進歩が新たなデザインを生み、新素材はそれまで不可能と思われていた造形を可能にした。『時代に巡り合えたデザイナーだけが名作を生み出すことができた』」と語る。
「今回展示しているものは、世界のデザイン史に名を残している名作椅子ばかり。2019年に旭川市が『ユネスコ創造都市ネットワーク(デザイン分野)』の加盟認定を受け、圏域全体が『デザインで未来を築いていく地域』を目指すために、ぜひ知っておいてほしい、知っておかなければならない作品を選んだ。展示中の、それぞれの椅子が生まれた背景に、さまざまな芸術運動や革新的な技術開発、素材開発があったことに思いをはせながらご覧いただければ」と来館を呼び掛ける。
開館時間は10時~17時。入館無料。5月5日まで。