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三浦綾子記念文学館で自伝小説「道ありき」展 絶望から希望への物語

お話を聞いた学芸員の小泉さん

お話を聞いた学芸員の小泉さん

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 三浦綾子記念館文学館(旭川市神楽7条8 TEL 0166-69-2626)で現在、三浦綾子の自伝小説「道ありき」展が開催されている。

館内に飾られる三浦綾子さんと三浦光世さんの写真

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 戦後教壇を去った絶望の時代から、夫となる三浦光世に出会う希望までの約13年間がつづられた同小説。8枚の大型パネルと、墨塗りの教科書や創作ノート・写真などの当時の貴重な資料で作品を紹介する。

 三浦綾子は1939(昭和14)年に高等女学校を卒業後、7年間小学校教員を務める。終戦後今まで子どもたちが使ってきた教科書に墨を塗らせる軍国主義教育に疑問を抱き、そして「自分の教育が間違っていたのでは?」と自責の念にさいなまれ、教員を退職。さらに肺結核を発病し、その後幼なじみの前川正と再会。クリスチャンの前川から多大な影響を受け、生きる希望を取り戻し、6年に及ぶ闘病中にギプスベッドの上で洗礼を受ける。その後、結核を発病していた前川が死去し、落ち込む綾子だったが、前川と非常に容貌が似た三浦光世と出会い、1959年に結婚。その後創作に専念し、デビュー作にして代表作、大ベストセラーとなった「氷点」などを執筆した。

 「『道ありき』は三浦綾子の原点となる自伝小説。人はどう生きたら良いのか?を問い掛ける展示」と同館の小泉さん。「苦難の中で出会いがあり、別れがあって三浦光世さんという光に出会う。いろいろな人たちの深い愛が綾子さんを立ち直らせる。生きることの本質を同展で感じ取っていただければ」とも。

 開館時間は9時~17時。入館料は大人=500円、高校・大学生=300円。小・中学生=100円。6月29日まで。

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