フィール旭川(旭川市1条通8)ジュンク堂書店4階で9月16日、「颶風(ぐふう)の王」で三浦綾子文学賞を受賞した河崎秋子さんのサイン会が行われた。
三浦綾子文学賞は、旭川市出身の小説家三浦綾子がデビューして50年がたち、彼女の代表作「氷点」が世に出たことを記念して昨年2014年に限り設けられた賞。同年に作品を募集し、現代詩作家の荒川洋治さんや小説家の加藤幸子さんらが公開で最終選考を行った。応募総数170点の中から選ばれたのが河崎秋子さんの「颶風の王」で、今年の8月1日にKADOKAWAから出版された。
受賞した河崎さんは別海町在住の酪農家で、羊を育てながら執筆活動をしている。今回の受賞に関して河崎さんは「びっくりした」と一言。「睡眠時間と寿命を削って書いた」と笑って話し、「集中して書く時は睡眠時間が2~3時間という日もあった」とも。学生時代に文芸サークルに所属して小説を執筆していたが、それから10年ぐらい書くことは無かったそうで、5年前に30歳となり「きちんと書けるようになりたい」との思いから執筆活動を再開した。応募のきっかけは「書く理由として何か賞に応募するという目標が欲しかった」という。
同作品は、明治から平成にかけて馬と共に暮らした6世代の家族の物語。東北から北海道へ向かう厳しい自然の中で、馬と人が懸命に生きる姿が描かれている。当日は会場に訪れた一人一人に声を掛けながらサインする姿が印象的だった河崎さん。「昔の北海道の農家は馬と切り離せない生活をしていた。断面的ではあるが切り取って書いてあり、それが現代につながっている作品。そこを読んでもらえればうれしい」と話す。
同書の価格は1,600円(税別)。