旭川のクレーン工事業「渋谷クレーン工業」が現在、同社が運営するレンタル整備工場「Vihcle Base(ビークル ベース)」(旭川市春光台2条3)の駐車場に設置したクレーン車で毎日こいのぼりを揚げており、大空を元気に泳ぐ色とりどりのコイの姿が話題となっている。
こいのぼりの高さは同工場のある春光台地区でひときわ目立つ43.3メートル。風になびいて青空を泳ぐ最大7メートルのコイと吹き流しは合わせて30。壮大なこいのぼりを支えるクレーン車の周りでは「こいのぼり」の歌がBGMとして流れ、春の陽気と相まったのどかな雰囲気に包まれる。
企画したのは同社代表の渋谷憲一さん。昨秋に、「クレーン車を使って、何か地域が元気になることをできないか」と思い立ち、クレーン車を使ったこいのぼりを企画し、ネットオークションなどでこいのぼりや必要な備品の収集を開始。企画を聞きつけた商工会や地域住民からもこいのぼりの寄付があり、当初自前で用意した25匹から現在の30匹(ともに吹き流し含む)になり、その都度大きさに合わせて並び替えも行ったという。
家族と社員で準備にあたり、4月30日の公開から毎朝クレーン車を操縦してこいのぼりを揚げ、夕方には下ろす作業をしているといい、タイミングが合えば本職ならではの光景も楽しむことができる。
公開後は反響も大きく、SNSなどで知った多くの市民が写真撮影に訪れたほか、近隣の子ども連れの家族や年配者からは、「ありがとう」などの感謝の言葉が直接寄せられているといい、反響の大きさに渋谷さんの顔がほころぶ。
来年は、より多くのコイをもっと工夫した揚げ方で公開することを思い描いているといい、そのためのこいのぼりの寄付を呼びかける。渋谷さんは、「こいのぼりをはじめ、あまり目にしなくなった文化を残していきたい。家庭で眠っていたこいが、空を元気に泳ぐ姿を見てほしい」と観覧を呼びかける。
公開は5日夕方まで。
こいのぼりの寄付の問い合わせは同工場0166-76-1544まで。