旭川市中心部で6月4日に開催予定だった恒例行事「第84回北海道音楽大行進」の中止決定を受け、旭川中央中学校では同日、吹奏楽部による「ぐるぐる音楽大行進」が急きょ開催された。
「ぐるぐる音楽大行進」を行った旭川中央中学校吹奏楽部のみなさん
旭川市中心部の公道約2キロにわたるパレードが繰り広げられ、街中に迫力のあるマーチングの音楽が響き渡る国内最大規模のマーチングイベント「北海道音楽大行進」は、初夏の訪れを感じる旭川市民の一大イベント。
本来であれば今年は道内各地から101団体4000人が参加し、パレードのみならず、パレード前のリベライン旭川パークでの開会式での参加者全員による合同演奏や、大勢の観客で沿道が埋め尽くされるパレード、パレード後の平和通買物公園でのアフターコンサートまで、一日を通して大勢の観客を魅了するイベントとなるはずだったが、降雨・落雷・低温など荒天予報を受け、前日、主催者判断により、84年の歴史上初めての荒天中止が決定された。
どの団体も最大の晴れ舞台に向けて懸命な練習に励んできた中での中止決定に大きな衝撃と落胆を受けることとなったが、そうした中、旭川中央中学校吹奏楽部では楽しみにしてきた部員はもちろん、保護者・関係者へ、その成果を少しでも披露しようと、同校体育館下の駐車場スペースで急きょ2回の演奏会を行った。名付けて「ぐるぐる音楽大行進」。
吹奏楽部顧問の沼澤和範教諭は「前日の18時からの練習最中に中止決定の連絡が入り、部員みんなの前で報告をした際に、開催中止は残念だが『ぐるぐる音楽大行進』を開催しようと提案し、気持ちを切り替えて練習した。会場設営は朝6時から行った」と話す。
気温10度を下回る中、法被と鉢巻きのおそろいの衣装に身を包んだ部員約40人が登場すると、体育館ほどのスペースを周回行進しながら本来演奏するはずだった楽曲などを演奏し日々の練習の成果を堂々と披露したマーチングバンドに、集まった約300人(2回計)の観客から拍手喝采が沸き起こり、部員それぞれがすがすがしい表情で全体の記念撮影に収まった。