
旭川のクレーンリース会社「渋谷クレーン工業」が現在、同社が運営するレンタル整備工場「ビークルベース)」(旭川市春光台2条3)の駐車場で、大型クレーン車のアーム先端に取り付けた「旭川で一番高いこいのぼり」を揚げている。
つるしているクレーン車の運転席から見上げる「旭川で一番高いこいのぼり」の様子
春光台地区のゴールデンウイーク期間中の風物詩として定着しつつある同こいのぼりは、今年で3年目。コロナ禍に開設した同工場が地域とのつながりが増える中、同社社長の渋谷憲一さんが、事業で所有するクレーン車を使って地域を元気づけられないかと考えたことがきっかけ。
アーム先端にこいのぼりを取り付け、空高く掲げるアイデアを実現したところ、建物の屋根をはるかに超える高さで泳ぐ色とりどりのこいのぼりが、SNSや口コミでたちまち話題になった。子ども連れの家族や保育園の見学、地域住民をはじめ多くの市民が訪れて感謝の声や写真が多数寄せられ、年配者からも継続を望む声が多いという。
反響の広がりに合わせて、市内はもとより遠くは岩手県からもこいのぼりの寄付の申し出が相次いだことから、事業で昨秋導入した最大アーム長55メートル、50トンのクレーン車を投入し、18階建てのマンションに相当する過去最大の規模を実現。「こいのぼりを大きくしたかった」という渋谷さんは、「もちろんクレーン事業で活躍するが、事業が一段落するこの時期のこいのぼりを見越して導入したようなもの」と笑う。大型になったことで、一昨年に30匹でスタートしたこいのぼりは、昨年40匹、今年55匹と倍近くに増えた。中には8メートル以上という巨大なこいもあり、大小の多彩な色と柄が空を舞う。
渋谷さんは「日本の失われつつある風景をこれからも残していきたい。みんなで誘いあって来場し、一段とスケールアップしたこいのぼりを楽しんでほしい」と来場を呼びかける。
3日~5日は、来場した子どもたち先着200人にお菓子を配るほか、クレーン車などへの乗車体験もできるようにする。
公開時間は9時~17時。5月5日まで。荒天中止。